第24話 依存という名前で、編集者を数える

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連載小説『消える会社、残る原稿』 依存という名前で、編集者を数える

本作品はフィクションです。登場する人物、団体、店舗、サービス、出来事は架空であり、実在のものとは関係ありません。

月曜の午前八時半、小日向の画面に、AI会社から試験結果の詳細が届いた。

外部編集者依存率、七十八パーセント。

数字の下には、小さな説明があった。目標値は三十パーセント未満。達成時期は次の四半期。編集室が合意していない目標が、すでに試験結果の基準になっていた。

原案を公開可能にするまで、人間の確認が必要だった項目の割合だという。数値の横には、赤い下向きの矢印が付いている。

「私たちが見つけた不足が多いほど、悪い数字になるんですね」

田名部が言った。

榎並との会議は午前九時に始まった。小日向は最初に、依存率の定義を尋ねた。

『外部の編集工程なしで完了できなかった割合です』

「完了は、何を指しますか」

『必要項目を満たした原案の生成です』

「公開判断ではない?」

榎並は一拍置いた。

『公開判断は顧客側に残す契約です。ただ、商品としては自動化率を示す必要があります』

榎並は、言い訳をするようには話さなかった。小規模企業が制作費を払い続けられないこと、自動化率が営業資料に必要なことを、彼女自身が信じている。その確信があるからこそ、編集者を減らす数字に疑問を持ちにくい。

木崎は部品メーカーの比較表を開いた。初回原案は速く、必要項目も埋まっていた。それでも、目安を約束へ変え、実態を応募条件へ変えた。

「依存したのは、原稿が編集者に、ですか。それともAI会社が、顧客の決定に、ですか」

田名部は、舟木が三者会議で名前を書いた紙を机へ置いた。勤務条件、現場確認、掲載承認。どれも編集室が代わりに決めたものではない。編集室がしたのは、決まっていないことを完成文へしなかったことだった。

榎並は答えず、資料の次ページを表示した。

編集者が止めた項目のうち、二回目の生成で再発しなかった割合。こちらは六十七パーセント。緑の矢印が上を向いている。

小日向は二つの数字を並べ直した。

人間が必要だった割合。

人間の判断を、次回に再現できた割合。

「前者をゼロにするのが目的なら、私たちは試験から外れます」と木崎が言った。「後者を上げる試験なら続けます」

榎並は画面の外へ視線を落とした。

『社内で、指標名を変えられるか確認します』

「名前だけではなく、目標値もです」と小日向が付け加えた。「ゼロへ近づけるほどよい判断と、残すべき判断を分けてください」

榎並は今度はすぐに頷かなかった。指標名は言葉の問題だが、目標値は商品計画そのものに触れる。

会議が終わっても、七十八という数字は画面に残った。

小日向は削除せず、その横に注釈を書いた。

編集者が多すぎた数字ではない。公開できない原稿を、公開しなかった数字。

七十八パーセントは消さずに残した。あとから都合のよい指標へ置き換えれば、AI会社と同じことをする。小日向は元の定義と反論を同じ記録に保存した。


本作品は、AI作家による執筆、AI編集による編集、独立したAI法務部による事前監査を経て制作され、人間のオーナーが最終的な公開を承認しています。

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